特別な道具は不要!すぐに始められる木材エイジングの方法

木材エイジング

インテリアや家具を自作するDIYが話題の中、「道具や塗料を揃えるのは大変そう」「何からはじめてよいのかわからない」という声は多い。

また、興味があるものの時間や道具の制限から実践に至っていない方もおられるだろう。まずは身近な物を使って始めてみてはいかがだろう?今回は木材選びについても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。

木材塗装がエイジング加工に最適な理由とは?

エイジングは塗装技術の一つで、刷毛、ローラー、布などを使って素材に着色する。塗料は様々だが、家庭のエイジングで使う道具はホビー用で充分である。初めて塗装にトライするなら自由度の高い木製品がお勧めだ。

 【木材を使用するメリット】

 木材は加工しやすく塗料を殆ど選ばないため扱いやすい素材と言える。どこのホームセンターでも販売されているので入手しやすく、店舗の裁断サービスを利用すれば加工の手間が省ける。補修やリメイクの際に他の素材と比べて失敗しにくいのも木材を選ぶメリットの一つだ。

【あらゆる塗料に対応】

 木材の塗装にはアクリル顔料などの水性塗料からウレタンなどの溶剤系塗料まで幅広く使用されている。

【ナチュラルな塗装も可能】

市販の塗料以外に、酢やコーヒーなどの食材で着色するナチュラルな塗装も可能だ。塗料の臭いが気になる方や小さな子供のいる家庭にもお勧めである。

家具やエクステリアの自作を検討中の方は次の「木材の種類を知る」を参照いただき、既存の家具や小物をエイジングする方法については「木材の塗装は多種多様」以降でご紹介する。身近なものを使った塗装法を知りたい方は「家にある物で出来る!ナチュラルな塗装法」の章まで読み進めていただきたい。

 

木材の種類を知る【屋外用】

まず、はじめに主な屋外用木材の種類を紹介する。使用目的や環境によって適した木材を選んで頂きたい。

木材の種類を知る【屋外用】

 

ハードウッド

 日光と雨風にさらされる屋外での使用には、耐候性に優れたハードウッドが適している。ウッドデッキや公園のベンチに使われているのは主に東南アジアや南米が原産の硬くて重い広葉樹だ。国産では日本人に馴染みの深い杉や檜が人気である。

種樹 ウリン(アイアンウッド)、セランガンバツ、イペなど

 

【メリットとデメリット】

ハードウッドは紫外線や水に強く反りや割れが少ないのが特徴。ウリンなどの硬質木材は害虫がつきにくいため施工後のメンテナンスは楽である。一方で、硬質であるほど加工が難しく、重厚な建材の裁断には適したサイズの電動丸ノコが必要となる。加工や微調整がしにくいため、木材の寸法や形状をよく確認してから購入しよう。また、屋内用の木材と比べて高価である。

 

コスパのよい屋外用木材

 次に紹介するのは、コストパフォーマンスがよく屋外でも使える木材として人気上昇中である。

種樹 ウエスタンレッドシダー、SPF材など

【メリットとデメリット】

日本では米杉(ベイスギ)と呼ばれるウエスタンレッドシダーは、北米に生息するヒノキ科の針葉樹である。ハードウッドと比べると耐久性は落ちるが、加工しやすくシロアリを寄せつけないのもポイントだ。

同じく北米原産のマツ科の針葉樹(スプルース、パイン、ファー)を略してSPFと言う。白っぽく柔らかいSPFは、屋外用木材の中でも加工が容易で扱いやすいのが特徴だ。耐久性の面でデッキ(床材)には向かないが、屋外に設置する柵やテーブルなどに使用されている。

 

ACQ材とは?

 どの木材も防腐塗料を塗布する事で耐久性を高めることができるが、屋外で長期に使用する場合は予め防腐剤が注入されたACQ材(高耐久防腐注入材)を選ぶと良い。薬剤を加圧注入するため薬剤漏れがなく、外側から塗布するよりも耐久性が高まる。

 

合板は使える?

 安価で扱いやすい合板だが屋外の長期使用には不向き。雨や紫外線でベニヤが剥がれやすく、一旦剥がれ始めると修復が難しいためできれば屋内か雨のあたらない場所で使おう。

 

木材の種類を知る【屋内用】

外部からのダメージが少ない屋内では基本的にどんな木材でも使用可能だ。予算と相談しながら目的に合った木材を選んでいただきたい。

木材の種類を知る【屋内用】

 

合板

ベニヤ板を接着剤で張り合わせて厚みと強度を持たせた板である。安価でどこのホームセンターでも入手可能通常は下地材だが、そのまま使う場合は表面がささくれてこないよう表面と小口も処理しておこう。予め表面に加工が施された「化粧合板」も販売されている。

他にも、壁の下地に使われる一定の強度等級を満たした「構造用合板」、コンクリートをうつ際の型枠に使用する「コンパネ」などがある。

 

集成材

集成材とは、異なる部位の木片を乾燥させて接着した人口の木材である。薄いベニヤを積層させて作る合板とは違い、繊維の方向を縦横に繋いでいるのが特徴。価格は種樹によって異なるが無垢材と比べて安価である。個体差が少なく品質が安定しているので建築現場でも人気だ。

家具の天板や室内のフローリングに使われているのは「構造用集成材」、100均などでも見かける白っぽく軽いものを「造作用集成材」と呼び、それぞれに化粧ばりされたものも販売されている。種樹・強度・品質・加工の違いから価格帯は広い。

 

MDF材

MDF (中密度繊維板)は、木の繊維に合成樹脂(接着剤)を加えて圧縮したファインボードの一種。木目のない滑らかな表面が特徴だ。パルプと同質のため水には弱いが、中密度に圧縮されているためある程度の強度があり棚板や裏板に使われている。

割れやすいので負荷のかかる用途には不向きだが、表面の摩擦が少ないので引き出しの側面やパネルボードに使用されている。塗装の際はシーラーを下塗りするとよい。

 

無垢材

 1本の原木から切り出した、その名の通り混じりけのない木材のこと。天然木ならではの調湿作用があり、木目が美しく時を経て味わい深さの増す風合いが魅力だ。個体差があり木材の質にバラつきがあるので、購入の前にソリやダメージのない木材を選ぼう。

人気の種樹は、重厚なウォールナットやメープル材、扱いやすいパイン材、国産では杉や檜材がある。人口木材より値が張るが、高級感があり長く愛用できる家具に仕上がるだろう。抗菌作用を持つ森の香り(フィットンチッド)を好む方には特にお勧めする。

 

木材の購入と裁断

木材の購入と裁断

【木材はどこで購入する?】

 作りたいものの規模にもよるが、木材の購入はホームセンターを利用する方が大半かと思われる。木材も多少の個体差があるので、実際に目で見たものを購入できるのは利点だ。購入の際は寸法のメモを用意しておき、店舗のカットサービスを活用しよう。一般客に販売している材木店でも受け付けてくれる所が多い。

東急ハンズのようなクラフトショップやDIY専門店でも様々なサービスが用意されている。また、計画段階でお店の方に相談するのもよい。目的に合った木材や便利なパーツを紹介してもらえるだろう。

欲しい木材が決まっている場合はネット通販も便利だ。商品とサイズを指定するだけで作業場に届くのは大変ありがたい。

豊富な種類とサイズが揃う木材専門の通販「マルトクショップ」

https://shop.woodworks-marutoku.com/

予め裁断された組み立てキットや100均の木製パーツを活用する場合は組み立て方法をよく確認しておこう。特にカスタマイズを検討中なら、サイズはもちろん、組み立てに必要な道具が揃っているか、ネジやビスが使用できる素材かどうか、塗装が可能な材質か、などをチェック。

 

木材の塗装は多種多様

木材の塗装は多種多様

殆どの塗料が使用可能な木材だが、素地の加工によって塗料のノリや吸い込みに違いがある。ここでは、アンティーク風に見せる塗装に適した木材を紹介する。

 

古材風塗装

新品の木材を着色して古材のように見せるには、木材用ステインやワックスが簡単だ。素材に染み込んで着色するステインは、1~2回の塗装で木の表情に深みを与え、木目を活かした自然な仕上がりとなる。ワックスとの併用で艶や光沢を加え、本物のアンティーク家具のような存在感を出すことができるだろう。

木材は天然木が最適、集成材や合板はサンドペーパーを軽くかけてから塗装するとよい。表面に接着剤や油汚れが残っていると塗装ムラになってしまうので気をつけよう。MDF材も着色可能だが、表面が平なのでリアルな古材の再現にはおすすめしない。

 

ペンキ塗装

 色付きのペンキで塗装する場合は初めにベースとなる色を塗り、乾いてから再度色を重ねると発色がよい。塗料はやや薄めに希釈すると定着がよく、さらに色を重ねることでムラなく均一に塗装できるというわけだ。

しかしアンティーク風塗装では多少の塗りムラも気にならならず、むしろ色褪せのような味わいが出る場合もある。ペンキ剥がれのようにランダムに塗装したり、古材風塗装の上からペイントすることでさらにリアルな風合いとなる

木材用塗料や詳しい塗装法については過去記事を参照いただきたい。

http://novelpaint.com/aging-painting

 

特殊塗装

 余談だが、塗装には無限の可能性があり、例えば木材や石膏ボードなどを全く違う素材に見せることも可能である。下の画像はボードにメタリック塗装を施して金属のもつソリッドな印象を表現したもの。

出典:(Facebook @novelpaint)https://www.facebook.com/novelpaint/

特殊塗装の一種で、まさにプロの職人の成せる技だ。塗装と言っても扱う道具筆や刷毛だけではない。左官に使うコテやスクレイパーなどを駆使して理想の仕上げに近づけていく。また、下地のジョイント部が塗装面に響かないようパテをフラットに整えるなど、あらゆる内装作業の知識が必要となる。

エイジング、特殊塗装の一例。

エイジング特殊塗装無料見積り/ノーベルペイント

 

家にある物で出来る!ナチュラルな塗装法

木材エイジング

ナチュラルなライフスタイルが集める中、DIYでもできるだけ自然のものを使いたいと考える方もいるだろう。海外では、赤ワインやコーヒー、紅茶をはじめ、色味の強い野菜を使ったが染色方法も知られている。紙や布を草木染めするように、木材を食材や調味料など身近なものを使って着色する方法を紹介する。

 

食材で染める

インスタントコーヒーを濃い目に作り、よく解き合わせてそのまま塗布する。紅茶は湯に一晩浸けたものを使う。赤ワインはそのまま使うか、少し煮詰めてもよい。素材は違うが、この3つで染めた後の色合いは殆ど同じである。他にも、スパイスのターメリックパウダーを熱湯で溶くなどして異なる色合いを出すことも可能だ。

ナチュラルステインは染み込みが浅く色づきが薄いため、塗装の際は布を使って擦り込むとよい塗った直後より乾燥してからの方が色味が強く出るので、実験のつもりで様子を見よう。材料の匂いも移るが1週間も経てば消えるだろう。
いずれも淡い色づきだが、重ね塗りや漬け込み時間である程度の深みが出る。次に紹介するのは金属を酸化させて作るナチュラルステインだ。

 

お酢とスチールウール

用意するものはお酢、スチールウールたわし、大きめのガラス瓶と、液を混ぜるための割り箸など。作り方は簡単、ガラス瓶の中に酢を注ぎ、スチールウールたわしを入れて酸化させる。容器のフタはぜず、一晩放置すれば完成だ。匂いがあるので外か窓辺に置いておこう。

リンゴ酢やバルサミコ酢など酢の種類によっても色の変化があるようだ。一晩置いても液自体は少し色づく程度だが、白木に塗布して1時間も経てば、木目を透かしたグレーチャコールに染まる。残ったステインはフタをして保存しよう。半年以上置いても使えるが、酸化が進んで液体の色は濃くなる。

 

木製品の手入れ

塗装した木材や皮製品は、ココナッツオイルなどの天然油脂で汚れを落としたり、保湿することができる。特に、木材塗装用の亜麻仁油など速乾性のものが使いやすく、美しい艶を与えてくれるのでお勧めだ。ホームセンターやクラフトショップの「自然塗料」コーナーで購入できる。

 

自然塗料とは?

天然の素材を使用した、人体や土壌への悪影響を軽減できる塗料を「自然塗料」と呼び、エコの観点からも注目を集めている。日本では昔から使われてきた柿渋染めが有名だ。光沢や木に耐久性を与えるオイル系には、石油ではなく大豆油などの植物系油が使われている。樹液を使ったニスや蜜蝋のワックスなどがある。

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オリジナリティを高める…パーツを使った演出

Copyright Photo by Samuel Zeller on Unsplash 出典:https://unsplash.com/photos/-nIrhwOCRY8

細部の演出によってモノの表情は大きく変わる。木材選びや塗装の方法が決まったら、細かいパーツや装飾的なことについても検討していこう。カスタマイズやDIYで一番楽しい作業かと思う。

 

パーツ選びにもこだわる

 アンティーク風の塗装と本物のアンティークパーツは相性がよい。真鍮色のネームプレートや、陶器のドアノブを取り付けるだけでヴィンテージ感溢れる空間になるだろう。もちろん好みのパーツをアレンジして塗装するのもよい。

ただ、実用品の場合は使い勝手を優先させるべきである。例えば、衣類やバッグを吊るすフックに塗装する場合は、色移りしない塗装が前提だ。引き出しの取手などもエイジングしたいところだが、よく触れる場所は塗料が剥がれやすいため注意

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ステンシルを用いる

 絵や文字を加えたい場合はステンシルがお勧めだ。切り抜いた型紙の上からペイントする方法で、絵を描くのが苦手でも問題ない。専用シートを使えばより簡単できれいな仕上がりが期待できる。

スポンジなどでスタンプのように色をのせるか、スプレー缶で吹き付けてペイントする。市販のシートにはミリタリー調からカントリー風まで豊富なデザインが揃い、組み合わせて使ってもOKだ。要領を掴んだら型紙の自作にも挑戦してほしい。

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まとめ

塗料を選ばない木材は、自由度が高く扱いやすいのでエイジングを始めるのにぴったりの素材だ。さらに、どんなインテリアにも馴染ませることができる特殊塗装を施せば、コストの削減や、より完成度の高い空間作りが実現可能になる。

DYIをきっかけに、エイジングや特殊塗装の世界を体験していただきたいと思う。

http://novelpaint.com/

『記事監修』 貝掛 攻 エイジング特殊塗装士

ノーベルペイント代表
エイジング&特殊塗装専門の塗装士として独立し、全国規模で、飲食店、美容室、マンションなどのエイジング塗装、特殊塗装を多数手がける。その技術を広げる活動も行い、全国にてクオリティの高いエイジング特殊塗装ができる塗装師を育成している。

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